プロフィール




多重録音による音楽制作 

私がハーモニカの多重録音を開始したのは昭和52年である。その後本格的に対外的に公表したのは、当時勤めていたNTTの電話利用促進策の一環として「電話によるハーモニカ・テレホン・サービス」を開始した昭和62年である。

多重録音による音楽作りとは、意外に手間暇のかかるものである。まず、著作権切れで、ハ−モニカに向いた曲を探し、編曲をする。次にマルチトラックレコ−ダに曲全体のテンポの基になる音を録音する。そして、その録音を再生して聞きながら、それに合わせてバス・ハ−モニカを演奏し、録音をする。次にこれらを再生しながら、それに合わせてコ−ド・ハ−モニカを演奏し、録音をする。

このようにして、順次各種メロディ−系ハ−モニカやシンセサイザ−などを演奏し、それぞれのチャンネルに録音して行くのである。演奏と言っても鋭い音色で吹くところや、まるいソフトな音色で吹くところ、複数パ−トでビブラ−トをつける。ときは、パ−トごとのビブラ−トを合わせるなど、細心の注意を払って演奏して行くのである。


録音が終わると、各チャンネル毎にイコライザ−やエフェクタ−による音質調整を行い、最後にミキサ−により2CHステレオに編集して完成となる。その過程は、録音してはチェックし、気に入らなければ演奏のやり直しや、編曲の書き直し、これが延々と続くのである。途中で楽器の調律や修理をおこなうこともしばしば…。

かくして、徹夜が何日も続いた果てに完成するのである。

テレホンサ−ビスは開始以来14年間続いた。また平成7年からは小山局でもテレホンサ−ビスを開始し、これも7年間続いた。この間に多重録音により制作した曲は200余に達した。この内の約40曲はカセットやCDアルバムとして当時リリ−スされたが、他は眠ったままであった.

その後これらの音源に新たな録音したものを加えて編集し、平成16年に町田明夫CD全集(10巻全140曲)として完成した。



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